葛利毛織(くずりけおり)/ドミンクス(Dominx)
日本の誇り
古くから日本の毛織物の産地として知られてきた愛知県一宮市。いまからおよそ100年前(大正元年)、トヨタ自動車の前身である豊田織機が日本で初めて自動織機を発明してからまもなく、葛利毛織はこの地に生まれました。ゼニアやロロピアーナ、ドーメル、スキャバルといった海外の有名ブランドが例外なく革新的な高速織機を使用するなか、葛利毛織では未だに創業当時と同じ「ションヘル」と呼ばれる低速織機を使い続けています。日本のモノづくりが見直される昨今、商品の「味」にこだわる海外の有名デザイナーから今もなお多くの注文が舞い込んでおり、海外で大きな評価を受ける葛利毛織は、織物産業を支える日本の誇りとも言えるでしょう。
希少価値
そんな葛利毛織が使用するションヘル織機は、別名シャトル織機とも呼ばれ、杼(ひ)と呼ばれるシャトルが縦糸の間を左右に飛び交うことで生地を織り上げていくのが特徴です。この織機は生地を織るための準備にも非常に手間隙がかかり、1日に100m以上織ることができる高速織機に比べ、たったの15mほどしか1日に織ることができません。生産性や効率を重視した現代では、杼を使わず、空気や水の力で糸を左右に飛ばす高速織機が主流となり、大量生産・低コストを実現した反面、均一化したモノづくりは商品の「味」まで均一化させてしまいました。多くの工場が生産性の低いシャトル織機を廃棄していく一方、素材の良さを活かした手織りに近い風合いのモノづくりに拘り、葛利毛織は今も昔ながらの希少な製法を守り続けています。
MP4動画 © RINGWOOD ※音量にご注意ください
葛利毛織 サンプルイメージ
※コレクションのほんの一部のご紹介です。実際はもっとたくさんの種類があります。
タスマニアブレンド
オーストラリアのタスマニア地方で取れる上質なタスマニアンウールをブレンドし、イタリアンテイストな柔らかさと、低速織機ならではのしっかりと目の詰まった丈夫さを併せ持つ、葛利毛織ならではの高級素材です。ベーシックな色柄を中心にセレクトされたコレクションは年代を問わずあらゆる人に、あらゆる時代に対応する"間違いのない"素材です。
ジェントリークロス
ジェントリークロスは、その名の示すとおり英国紳士をイメージしたコレクションです。最近の英国製生地は、そのほとんどが高速織機で織られるためある意味"英国らしさ"が失われつつありますが、このジェントリークロスは古き良き英国物の風合いを現代に蘇らせたと言える生粋の英国調生地です。
シルクブレンド
低速織機によるしっかりとした織りはそのままに、トレンドの光沢感を出すためにシルクをブレンドしたのがこのコレクションです。一般的にシルク混の生地は"弱い"のが欠点ですが、その欠点を補うべくゆっくりしっかりと織り上げられ、葛利毛織ならではの品質に仕上がっています。
※記載されている情報は執筆・撮影当時のものです。タグのデザインや品質など現在販売中のものとは内容が異なる場合があります。また一部廃盤になっていたり、シーズンによって取り扱いのない場合があります。当ページはブランドを紹介する目的で作られています。画像に写っているスーツやシャツ、ジャケットその他のアイテムはメーカー提供のものであり、当社で制作したものではない場合があります。あらかじめご了承ください。