2008年 夏 のピッティ・ウォモ レポート
 原材料価格の高騰による物価上昇が叫ばれる中、 特にヨーロッパ製品を扱う小売店にとって今のユーロ高は脅威を通り過ぎて、 既に取り扱いを中止もしくは休止する業者もちらほらと出始めている。 某有名ネット系のセレクトショップでは、 自社での現地買い付けをやめて日本国内の卸業者から必要最小限の仕入れに切り替えたという噂もあるほど。
※この記事は2008年当時ものです
そんな中、少しでも良いものをできるだけ価格据え置きで提供できるように、 無い知恵を絞りながら新商品の買い付けや、来シーズンのトレンド調査をしてきた。 今回は、自店の新店オープンや新規事業の立ち上げ、新システムの導入などたて続きにプロジェクトが重なったため、 ひさびさのピッティでもある。
チラシを配るお姉さん(右端)もさすがにカッコイイ。 かなりの暑さだったが、きちんとタイドアップしたバイヤーも。 なぜか入り口にはシンプソンズの着ぐるみがいっぱい。
 期間中のフィレンツェは、ここでも温暖化の影響か、とても暑くホテルから会場まで徒歩 15分ほどの道のりでもだいぶ汗ばむほどだったが、 持っていった麻のジャケットを脱ぎたいのを我慢しつつ、 他のバイヤー達に負けじと広い会場を精力的に見て回った。
今回のピッティ・ウォモは公式発表では20,565人のバイヤーが参加したそうで、 前回夏のピッティ・ウォモとほぼ同数(若干減)の参加となった。 うち38%の約4000人弱がEU域外からの参加で、 顕著だったのはロシア、中国、インドなどの新興国からの参加が伸びたのに対して、 アメリカ、イギリス、日本といった先進国からの参加が減少していたことだ。
原材料高や為替リスクによる物価上昇インフレに苦しむ先進国と、 それらのリスクをうわまわる高い経済成長率で潤う新興国との差が浮き彫りになった形だ。 今はまだ日本やアメリカといった先進国市場の発言力の方が強いが、 今後ますます世界のファッション界において、彼ら新興国の発言力が増していくことになるだろう。
毎回白で統一されるスキャバルのブース。クラシコに対抗。 どこもス・ミズーラ全盛なのか。パレルジリブースにて。 オールパイソンのフィアット。ただし室内専用?(笑)
 そんな状況の中、 円安ユーロ高を逆手にとってMade in Japanを輸出しようという動きが数年前のピッティから広がってきている。 先に書いたようにバイヤーとして日本からの参加は減少しているものの、 エキシビター(出展者)としての参加は増加傾向にあるのだ。
日本の物づくりは、もともとファッション以外の分野においては高く評価されてきたが、 デニム素材をはじめとするアパレル素材においても、 今やヨーロッパ製品と同等以上の評価を得るほどになっているし、 そしていよいよ素材だけでなく製品として、つまりスーツやシャツ、 鞄や靴といった最終製品としてのアプローチが新たな試みとしてはじまっている。
たとえばスタイルクリエーションの滝沢滋氏は、 日本製にこだわった実直な仕立てのスーツを提案していたし、 ユナイテッドアローズは、 バイヤーである鴨志田康人氏が提案する素材や縫製にこだわったスーツやシャツ、 鞄など高品質な商品を提案するブースを構え、多くのバイヤー達でごった返していた。
日本のデザイナーやクリエーター、 モデリスト達がヨーロッパから学ぶことはまだまだたくさんあるとは思うが、 今までのように海外で買い付けたものを日本で売るという次代から、 次のフェーズへとシフトする。そんな流れを感じる展示会だった。 今後は日本発のファッションという無形の価値観が世界でどう評価されていくのか注目していきたいと思う。
人気のクラシコイタリアゾーン。そうそうたるブランドが。 落ち着いた印象の2ボタンスーツ。柔らかな雰囲気が伝わる。 こちらも2ボタン。モノトーン系のやさいしい色使い。
 スーツのトレンドを見てみると、前回のロンドンカットがよほどインパクトが強かったのか、 どこも英国回帰を意識したデザインやコーディネートになっており、 キートンイザイアベルベストなどは、 2ボタンのとてもコンサバティブなかっちりしたスタイルを提案していた。 むしろアクアスキュータムスキャバルといった英国ブランドの方が、 ダブルブレストの変わり種なデザインなどアバンギャルドな印象をうけた。
色については相変わらず紺ブレ系の展示は多いものの、 全体的にモノトーン系のシックな色合いが多くとてもコンサバなイメージだ。 刺し色のネクタイにしても原色系というよりはパステル系や、 もっと淡いオフホワイト系が目に付いた。
無造作におかれたオロビアンコの新作の数々。 床に置かれているのが某セレクトの発注モデル。 ホテルの一室にところせましとバッグが並べられている。
バッグに関しては、オロビアンコバリスティックナイロンという新素材をナイロビアンコBとして提案していた。 少しざらっとした凹凸感のある手触りで、今までのリモンタナナイロンと比べ、 がっしりとしたイメージの素材である。相変わらずたくさんの日本人バイヤー達がオーダーをしていたが、 もちろんリングウッドでも独自の目線でセレクト。もともとオロビアンコにはカジュアルっぽいデザインが多いが、 リングウッドらしいビジネスに特化したセレクトをしてみたのでぜひ期待して欲しい。 (来年以降の販売予定です)
オロビアンコの商談はピッティではなくホテルで行われる。 オーナー兼デザイナーのジャコモ氏と。商談後のスナップ。 新作のバリスティックナイロン。ザラザラとした質感。
アクセサリー小物に関しては、当店ではフォーマル用アクセサリの定番となりつつあるサイモンカーターでは、 得意のスワロクリスタルをあしらった新作のデザインカフスを提案していたが、 普段使いにもいけるデザインのタテオシアンのカフリンクスがとても目に付いたので、 今回はそちらをオーダーすることに。もちろんフォーマルにもおすすめだ。
タテオシアンの新作カタログ。今回からタイピンも取り揃え。 ピッティのカタログと入場パス。初日はこれを見て戦略を練る。 アルバートサーストンの新作ブレイシスカタログ。
 今回ギリギリまでエアーのチケットが取れず、 わりとタイトなスケジュールになってしまったため市内のリテールショップまで見て回る余裕はあまりなかったが、 夜は他のバイヤーの方やロロピアーナのスタッフとおいしい食事をしながら情報交換ができとても有意義だった。 皆ロングフライト(名古屋からだと乗り継ぎいれて18時間以上!)で来てるのに、時差ボケもなんのその精力的に動き回っている。 リングウッドも彼らに負けずにこれからも努力して、今以上の商品やサービスを提供できるようにがんばっていきたい。
今回のテーマオブジェは自転車。ここでも環境を訴える。 疲れたらいつもお世話になる会場内のカフェ。いつも行列。 前回より開催のレディース会場。緑あふれる美しい場所。


イタリア レポート番外編
イタリアの楽しみと言えば"食事"もその一つ。
ここでは今回食べたイタリアンの中でお勧めのものだけをご紹介します。
※評価の星数はあくまでも筆者の主観で、一般的評価とは異なる場合があります。
[ TORATTORIA ZaZa ] お勧め度 ★★★★★
住所:P.zza MERCATO CENTRALE 26/R - FIRENZE
中央市場メルカート目の前にあるトラットリア。地元のイタリアンにも人気のお店。 フィレンツェにくると毎回来るお気に入りレストラン。 場所もわかりやすくカジュアルな雰囲気で旅行者にも入りやすいお店。 人気店のため夜は並ぶことを覚悟した方がよさそう。
タリアテレのミートソース。 黒トリュフ入りオムレツ。
今回の大ヒット
毎回食べるアップルパイwithマスカルポーネ。
[ RISTORANTE BUCA MARIO ] お勧め度 ★★★★☆
住所:Piazza degli Ottaviani, 16/R - FIRENZE
ブランドストリートで有名なトルナヴォーニ通りに程近いレストラン。 やや地下にもぐった感じの店構えは昔のワイン貯蔵庫のなごりとか。 料理はどれも濃厚な味付けで美味。ただしリストランテだけあって料金はやや高めだが、 今回はロロピアーナさんにご馳走になってしまった。
前菜の生ハムとブルスケッタ スカンピ(手長エビ)のグリル
ちなみに同じ大きさのお皿→
フィレンツェ名物ビステカアラフィオレンティーナ(一人前)
[ PIZZERIA Ciro & Sons ] お勧め度 ★★★★☆
住所:Via del Giglio, 28/R - FIRENZE
上と同じくトルナヴォーニ通りに程近いピッツェリア。 ピッツェリアといっても中は結構広く、外の看板にはリストランテとも書いてある。 でも価格とメニュー構成はやっぱりピッツェリアなので気軽に入れる。 場所がら日本人観光客も多く訪れる。
出遅れるとだいぶ並ぶことを覚悟した方がいい。 スパゲティカルボナーラ。生クリームを使わない本格派。 トマトモツァレラとアンチョビのピッツア。
[ OSTARIA CINGHIALE BIANCO ] お勧め度 ★★★★☆
住所:Borgo S. Jacopo, 43/R - FIRENZE
ポンテベッキオを渡った向こう岸、アルノ川沿いにあるオステリア。 TVなどのフィレンツェオススメ店にたびたび紹介される店。 噂どおりで料理はどれも美味で料金もお値打ちだが、 注文してからサーブするまでがめちゃくちゃ早いので一気にたのみすぎない方がよい。
7時頃になると店員が椅子とテーブルを道端に並べ始める。 スパゲティクリームソース黒トリュフ和え。絶品! ドリアトマトソース。意外と日本人向けの味。


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多数のご応募有難う御座いました。
また次回の企画をお楽しみに!